2015年1月22日木曜日

Slic3rのマニュアルを日本語訳してます

以前からSlic3rのマニュアルには参考になる情報が書いてあるなあと思っていまして、マニュアルの重要な部分を選択して翻訳をしているので紹介します。知り合いに読ませようと思ってやっています。今回はプリント時の「ファーストレイヤーの重要性について」です。

もっとも最近育児が忙しくて3Dプリンタ自体は動かしてないんですが(汗)
昨年からの書きかけの記事も仕上がってないのに寄り道して・・・

githubでフォークして作業してるんでフィードバックはこちらまでお願いします。



ファーストレイヤーの重要性
最初のプリントの作成にのめりこむ前に、ちょっと回り道をしてファーストレイヤーを正しく 作成することの重要性について議論しても無駄ではない。これまで多くの人間が 試行錯誤の中で発見してきたように、ファーストレイヤーがベストでない場合、部品の剥離 や歪みなどの全くの失敗につながるからだ。これを最小限に抑えるために注意すべき テクニックや推奨方法を紹介する。

ベッドは水平に

ベッドを水平にすることはとても重要だ。ノズルの先端とベッドの間の距離に、 ほんのわずかでもズレが生じると、材料がベッドに載らないか(ノズルが近すぎてベッド をひっかいてしまうからだ)、遠すぎてベッドに正確に付着しないだろう。

温度は高めに

エクストルーダーのホットエンドとベッドを温める際、ファーストレイヤーの温度を高く すれば、プリント時の材料の粘性が少なくなる。だいたい5°程度高くすることを勧める。

ゆっくりと

ファーストレイヤーの押出速度を遅くすれば、融解した材料が押し出される際に加えられる外力 が減り、のばされすぎたり、正しく付着しない確率が減ることになる。通常の速度の 30%から50%が推奨だ。

押出量は正確に

押し出された材料の量が多いと、ノズルはそれを次のパスまで引っ張ってしまうことが あり、ファーストレイヤーが引きはがされる原因となる(特に材料が固まっている時)。 一方で量が少ないと、ファーストレイヤーが後から緩くなってしまい造形物の剥離や歪み を引き起こすことになる。これらの理由により、§[calibration]で推奨しているように、 押出量を正しく調節することが重要である。

ファーストレイヤーは厚く

レイヤーを厚くすればより流出量が増えることになり、その結果より多くの熱が加えられ、 材料がベッドによりしっかりと付着するようになる。これにはさらにベッドの水平度に対する トレランスを増加させる効果もある。ファーストレイヤーの高さをノズルの直径と合わせることをお勧 めする。たとえば0.35mmのノズルにはファーストレイヤー高を0.35mmに設定する。 (注)simple mode ではファーストレイヤーの高さはこの方法で設定される。

押出幅を太く

ベッドに接触する材料が増えれば増えるほど、造形物がベッドによりしっかりと 付着することになる。これはファーストレイヤーの押出幅を増やすことで実現可能だ。値はパーセント か固定値で指定する。押出間の間隔は自動的に調整される。
値はだいたい200%が推奨である。ただし、この値はレイヤー高から算出されるため、設定するときは レイヤー高をなるべく大きくすべきである。たとえばレイヤー高が0.1mmで押出幅が200% だとすると、実際の押し出された材料の幅は0.2mmにしかならず、これではノズル幅よりも小さくなってしまう。 この結果、流出量が足りず、プリントは失敗するだろう。したがって、前述のファーストレイヤーの設定 テクニックと併用することを強く推奨する。ファーストレイヤー高をノズル幅と合わせて0.35mmとし、 初期押出幅を200%にすれば、実際の押出幅は0.65mmと良好な太さになる。

ベッドの素材

ベッド素材の選択やベッド表面を整備することによってファーストレイヤーの 付着性を劇的に改善することができる。
PLAは扱いやすく、PET、Kapton、そしてblue painters tape(訳注:3Mのマスキング テープ)と相性がいい。
ABSは気難しくなだめすかしてやる必要がある。PET、Kaptonと相性がよいが、プリント 前にベッドにヘアースプレーをかけて成功したという報告がある。ほかにもABSのスリラー (ABSをアセトンなどで溶かしてつくる)を薄く塗布することでプリントの接着性が 改善したという報告もある。クーリングはいらない。

冷やすな

上記に関連して、ファンなどの冷却機構が機能しているのにファーストレイヤーの温度 を上げても全く意味がない。最初の数レイヤーをプリントする間はファンを切る ことを推奨する。